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土曜日
3032007

和の伝道者その7

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レゲエショップ「 DEADLY DRAGON SOUND 」オーナー
ジェイソン・ディベック
ジャーミー・フリーマン

「お客様は神様です」

受話器の向こうのカスタマーサービスが恐ろしく無愛想だったり、免許の書き換えに半日待ちぼうけを食らったり。そんな時、思わず飛び出してしまうせりふ。

世界は今、断然グローバリゼーションの時代だそうで、日本の一部過剰のサービス精神を懐かしんでいては、生き馬の目を抜くような現代を疾走できない。などと分かったようなことを言っても、どこかで納得できない人はいないだろうか。

「蕎麦屋ならば最高の蕎麦を作ろうとする。どうしてレコード店だけ怠慢でいいだろうか」

中華街の一角でレゲエ専門のレコード店を開くディベックさんとフリーマンさんはそう語る。

店内に並べられた5万枚を超えるレコード。アーティスト、プロデューサー、年代別などに整然と別けられている。

レコード店でレコードの山を探ることを「ディグ・イン」と呼ぶ。店員も客もそれが一般的だから、「このレコードありますかね?」と尋ねれば「探してみたら」と返ってくる。これには宝探しのような楽しみがあるのだが、お目当ての一枚を見つけるとなると容易ではない。

「レコード屋のプロなら、客の求めるレコードをすぐさに見つけ出せるはず」と考える二人は、客の質問に常に答を提出する。

実は二人ともかなりの日本通。日本のショップで働いた経験もあるディベックさんは、日本の「細部にわたるカスタマーサービス」に影響を受けている。

レゲエを知ってほしい。そのための日本的サービス。圧倒されるほどの楽曲に及ぶレゲエの世界。興味があっても取っ掛かりがつかめなかった客がチャイナタウンの店に来て感激する。

客の声を聞いて仕入れるレコードだって考える。「毎日が勉強だ」と言う。アメリカで唯一日本発のレゲエも手に入る。良いものは良い。

二人にとって「お客様は神様ですか」と尋ねてみた。

「うーん、客が議論好きのジャマイカ人じゃなければね」といたずら顔で二人は笑い、「僕らの接客スタイルは『お客さんのために』ではなくて、『お客さんと一緒に』だね」と述べる。

客は神じゃない。客にもレコード屋にもお互いの立ち居地がある。客が神であった時代よりも日本のサービスは進化している。

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