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土曜日
3032007

和の伝道者その12

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レゲエ・ミュージシャン
NAHKI (ナーキ)

学生時代、夏休みに通信社で記者研修をした時、毎日ひっきりなしに届くプレスリリースのFAXの量に驚かされた。しかもその多くが記者の目に触れることすらなく、一日の終わりにバイトの女性がざっと確認してから捨ててしまうのだ。僕は案外気が小さいところがあり、せっかく送ってもらった資料だからと、ゴミ箱をひっくり返してはせっせと山のようなFAXに目を通した。

ルーキーではなくなった今だって、相変わらずプレスリリースには全て目を通す。

そんな時の感覚は、どこか宝探しをしている時に似ている。何を探しているのか自分でも分かっておらず、ただ黙々とまだ見ぬ「宝物」を探すのだ。思いもかけないものに偶然出会って興奮したりしながら。

『日本を代表するレゲエ・ミュージシャン』と呼ばれていますがと率直に尋ねると、「一人のレゲエファンとしてこんなに幸福な人生はないという生き方を味わえているだけです」と謙遜な言葉が返ってきた。

僕の知り合いに馬鹿がつくほどのレゲエ好きがいて、彼から「絶対に良いから」と進められたのがナーキだった。

世の中にはたくさんの音楽が存在する。その中からあなたや僕の心に触れる曲を見つけるのはそれこそ一人ぼっちの宝探しだ。

ナーキを知るため、過去に彼を取り上げた記事を読んでみた。ニュージャージー州在住のレゲエ・ミュージシャン。彼の経歴は、そのまま日本のレゲエ音楽の歴史。数え切れないヒットを飛ばし、大物ミュージシャンとも幾度となく競演してきた。

しかし、ナーキの、レゲエの世界を本当に感じたいならそれらの説明はあまり多くの意味を持たないだろう。例えば、原稿用紙2枚程度この原稿が伝えられることよりも、どうか彼のアルバム「 Big Step 」の「 Shine 」を聴いて、あなたが感じた気持ちを大切にして欲しい。

日本人の価値観を持って歌う彼が、ジャマイカでのライブ、ラスタの老人に「お前は神の調べをしっている」と強く手を握られる。そんな一つひとつナーキが見つけた人生の宝物が、彼のレゲエサウンドを織り成している。

溢れる情報の中から見つけだした「 Shine 」、僕の新しい宝物が輝いている。

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