矢野顕子×保存協会
火曜日, 1月 29, 2008 at 6:50午前 矢野顕子が現在もっとも音楽に没頭できる場所、
それがプライベートスタジオ・パンプキン。
マンハッタンの喧騒を離れた小さな田舎町の
優しさの香る「秘密基地」で、
デビュー30周年を迎えたアッコちゃんの世界を紡ぎました。
こっちからの続きです。
矢野顕子×保存協会
「たまにはね、ゴージャスな設定なんかで
不倫の曲を書けたらいいなって思ったりもするけど、
それは私じゃないからね。
残念だけど、竹内まりやにはなりたくてもなれないの。
同い年なのよ彼女。だけどこの違い(笑)」。
無論、どちらか一方がいいというわけではない。
考え方が違うわけです。そう考え方。
「でも売り上げ枚数を見てください。
彼女のアルバムは私の100倍くらい売っているでしょ(笑)」
なんかとっても逆説的な感じです。
その辺のところはもうちょっと詳しく。
「なんていうか、例えばですけどね。
音楽を産業としてとらえている人が私のスタッフにいたら困るみたいなことですね。
だって当の私はそういう風にはまったくとらえていないんだから。
私は今ここにしかない大切なものをつくっているわけで、
それを一緒につくり守って行こうという人が私のスタッフであって、
そういう人が例えば事務所の電話番をしてくれているということね。
これはものすごく大切なことなの」
いうなれば、「矢野顕子保存協会」みたいなものの存在ですか?
「そうね、矢野顕子保存協会(笑)」
日本を飛び出した矢野顕子だから
そいつは財団法人じゃなくて NGO って感じで。
しかもその輪はミュージシャン・矢野顕子を支える音楽関係者だけに留まらない。
それこそ家族や友人は勿論のこと、
ファンの間でだって共通の認識となって存在するわけで。
いやほんとうに。
極端な話、シンガーソングライターとしての「矢野顕子」と
人間「矢野顕子」の間に、
本人の述べるように隔たりがないのだから、
例えば彼女がどんな街に暮らすか、どんな友人と付き合うか、
どんな会話をしたかといったこと全てが
大なり小なり彼女の音楽に影響するはずなのである。
「お寿司屋さんだって、そのお店のトイレが綺麗なら
誰も汚い使い方をしようとは思わないでしょ」
日本のヒット・チャートが商業主義の楽曲で溢れる中で、
希少価値の高い矢野顕子という高級寿司屋の
「清潔なトイレを綺麗なまま」で保つというのは、
言うほど簡単なことじゃない。
しかし現に、我々の目の前には矢野顕子が
120%彼女らしく存在するわけで、
それがどうやって成立しえてきたのかなんていう理屈は
一旦置いておいてですね、
矢野顕子はこの地球に絶対必要なんだから「断固死守」みたいな
一見ソフトだけど非常に目的意識の高い人々の、
見えない「輪」が矢野顕子保存協会なのであるわけです。
「私はね、『しょうがないじゃない、矢野顕子だし』
と思ってくれる人々に良い意味で甘えている部分があるわけ。
彼らのお陰で、30年間、私がミュージシャンをしてこられたの。
それは本当に奇跡ですよ」
つづく
佐藤寛孝 |
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