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金曜日
2132009

熟成

「これからって時だったのに」という言葉に時々出会います。

「学校を卒業して、これからって時だったのに…」とか、
「これからって時だったのに、こんな事件に巻き込まれて…」とか。

大抵は好ましくないことに遭遇した人なんかに向けて使われるわけですから、
基本的にはネガティブな言葉なんでしょうけど
心のどこかで「この表現、なんか好きだなぁ」と思ってしまう自分がいるわけです。

どうなんでしょうか。みなさんにも、そういうものってあるんでしょうか?
駄目だよって自分で自分に抑制をかけているのに、
どうしても「駄目だ」って思えないみたいなもの。

例えばね、子供の頃からなんですけどね、
サッカーや野球なんかをしていて
自分のチームが勝っている時より負けている時の方がどうしても嬉しいんです。
なぜか負け試合の方が楽しいって感じてしまうわけです。
勝ってよかったぁ~~っていうよりも、
負けて悔しい~~っていう気持ちの方がなんか好きだったんです。

だからもう、ず~~っと不思議だったんですね。
なんで自分がそういうふうに感じるかってこともそうなんですけど、
もっと言うと、自分の他にもそんな風に感じているチームメートや友達がいるのかってね。


最近感じたんですけど、
「ハッピーエンドをお約束!」っていう映画があるじゃないですか。

映画が始まる前のプレビューとか予告編を見ただけで
「あぁこれはハッピーエンドで終わるんだろうなぁ」って
なんとなく分かっちゃう作品。
家族で安心して見れちゃうってふれこみのやつです。

でもね。僕なんかは最近そういう映画が見れないんです。
ハッピーエンドはハッピーエンドでいいんです。

ただ、あれって怖いなぁって思っちゃうんです。
もし、万が一ハッピーエンドじゃなかったらって。怖くなっちゃう。
僕の中でね、予告編を見た時には妄想が広がっていて
勝手にハッピーな主人公なり家族なんかのハッピーな人生が存在しちゃうんですよ。
2時間いろいろあったけど、最後はおさまるところにおさまってよかったねって。
そういうハッピーな彼らがもうすでに存在するのに
裏切られたエンディングがあったら、ねぇ。この妄想どうしてくれる?みたいな。

こないだ見た映画もね、
史実を元にした作品らしいんですけど。
3人の主人公たちがね、戦火を必死に逃れるって話なんです。
でまぁ、120分、悲しいことや嬉しいこと本当にいろいろあって、
なんとか3人とも行きぬくわけです。
僕はけっこう簡単に感情移入しちゃうほうなんで、
「あぁーよかったぁ」って安心して。

さぁじゃ出ようかって立ち上がろうとしたね、
主人公たちのモデルになった史実の人物の写真が出てきまして、
一緒に出てきたテロップが
その後の主人公たちの人生を少しだけ教えてくれるって仕掛けになっていたわけです。
ときどきあるでしょ。そういうの。

まぁ、気になるんで読みますよね。嫌な予感はしたんんです。
そしたらね、3人のうち1人はね、
映画でエンディングとなった二週間後に死にましたって。
おいおいって!
その人にはね、
劇中に恋に落ちた相手がいたわけです。
でもなかなか想いが伝えられないわけです。
それがちょっとした事件をきっかけに想いが伝わって、
みんなに祝福されてささやかな結婚式を挙げているわけです。

エンド・テロップによるとですよ、
主人公が戦死した時にはヒロインは妊娠していて、
「でも彼は子供の顔を見ることもなく死んでしまいました」って。

何じゃそりゃーーーーーーーーーーーーー!

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