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金曜日
9192008

孤独

長いこと、思春期に親元を離れ一人で暮らすことは
人格形成上プラスになると信じていた。
「孤独」を知ることで
本当に大切なものがわかると。
そんなわけで、
十代の終わりから二十代の前半の僕にとって、
「孤独」は一つの大きなキーワードだった。
高校を卒業して家を出た。
何度も長い旅に一人で出かけ、
人生の大切な決定も自分で下そうとした。
何日も誰にも会わないようなコースを選んで山に入り
自分の言葉さえも失ってみる。

でも、そこには刹那の寂しさが漂っているだけ。
真の孤独は存在しない気がしていた。
これはりんごだと言われ続けて食べていたものは
本当にりんごだったのか。
僕らの知っているりんごは、その味は、記憶でしかない。
未知なる孤独はもしかしたら違った味がするのだろうか。

フランス語で「孤独」を表す「solitaire」と
対義語である「連帯」の「solidaire」は似ていると言ったのはアルベール・カミュ。

もしかしたら、孤独はもっと身近で口をあけてはいまいか?
ひとは一人でいるから孤独なのか?
誰かが一緒なら寂しくはないの?

矢野さんは「一人でも家族」と歌っていた。
孤独の対岸に「家族」があるのではなく、
家族の中にこそ孤独はあるのかもしれない。

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