ねえマスター。私こないだ墓穴をほったの。
日曜日, 3月 23, 2008 at 2:24午前 ストレスを大きなスーツケースいっぱいに詰め込んで
愛しきチャンチョの待つ日本へと発って行ったダイスケが
わが家に残していったマックからの書き込み。
なんか他人のふんどしで相撲とっているみたいで
(ふんどしなんかまいたことなんかないいけどね)
とにかくとっても落ち着かないけど楽しいわ。(←カナの真似)
今夜はダイスケのストレスつながりで、
私が以前お犬の雑誌のお仕事でインタビューをした時に
聞いた話をシェアするわね。(←再度、カナの真似)
ちょっと口調がオカマっぽいけど気にしないでちょうだい。
満月のきれいな今夜ははなんだかそんな気分なの。
ラブラドールとかジャーマンシェパードなんかが活躍する
救助犬の世界のお話なんですわ。
この種類の子たちって、
本当に人間のことが大好きなブリードなんですってね。知ってました?
とにかく一夏の恋、じゃなかった、人懐っこいのよね。もう本当に。
だからこそ災害救助の現場でね瓦礫や雪崩に埋もれた人間を探せるんですって。
でもこれがあだになることもあるんだよって聞いたことがあるの。
たとえば9.11の時のように、
ほとんど生存者がいない状況で過酷な活動に長時間従事すると
大好きな人間を見つけられないストレスで
救助犬が英語で言うディプレスな状態に、
つまりおちこんじゃうって状況なんでしょうけど
そういうことになっちゃうんですって。
でね、やがてはそれ以上働くことを拒否するようになるのね。
とあるまっちょな消防士さんのお話ではね、
苦労してようやく発見した時には
もうすでに遺体になっていた被害者の方がおられたのね。
そしたらね、発見した救助犬が
その方のほほとかおでことか鼻先とかくちびるとかをね
一生懸命ぺろぺろと舐めるんですって。
マッチョの消防士さんは、
「ごめんね」って何度も言っているんだって分かったって。
それから、その子はそれ以上救助活動をするのを
かたくなに拒絶したそうなの。
ストレスってすごいわよね。
でね、じゃそんなふうに
落ち込んでしまった救助犬をどうやって
励まして元気づけるのか?想像つく?
またまたまっちょの消防士さんが教えてくれた話よ。
なんでもそういう時は、災害現場に穴をほって
そこに生きている消防士さんを一人埋めちゃうんですって。
でね、それを落ち込み中のワンちゃんに見つけさせるのね。
もうその時の、一夏の恋、じゃなかったわね、人懐っこい犬たちが
大喜びする光景は忘れられないって仰ってたわ。
これ冗談みたいだけど、全部本当のお話よ。
私がお仕事でインタビューをしてうかがったお話の中でも
一番か二番目くらいにお気に入りにしているお話なの。
満月の今夜だから喋っちゃったわ。
そういえば私先日、
パラグアイでお墓の穴をシャベルで掘ったことがあったわ。
あれってすごい経験よね。
人の遺体を葬るために、深くて暗い穴を生きている人間たちが
汗かきながら掘って行くのよ。
いつからか、葬儀屋さんがどの町にもいるようになって、
家族や友人が遺体を葬ることをしなくなったのか知らないけど
あれは本当は故人を心からしのぶ人たちがするべき仕事なのよね。
そう学んだの。
だって、生と死の明確な境ってのがあるとしたら
生きている人間がそれを実感するのに
墓穴堀以上の経験はないと私は思うんですもの。
しばしの別れの言葉をシャベルやつるはしにたくすのよ。
そうやって本当にあの人は死んだんだなって体でわかるの。
あらやだ、なんでこんな話をしてるのかしら。
本当はほら、イライラが溢れ出してとまらない鼻血の
ようになっているダイスケに、
穴でも掘って何か大切なもんでも埋めてみたらと
言いたかっただけなのに。うふ。

Reader Comments (1)
すごい経験をしたんだね。
ふと思ったんだけど
「墓穴を掘る」という表現(自分で自分の失敗の原因をつくる)は
果たしてどういう考え方からきたんでしょう。。
墓穴を掘るというのは生きている証拠でもあるのよね。いろんな意味で。