土曜日
11102007

MONDAY

その朝、遠くで聞えた爆音のような音で目が覚めた。
そして私は誘拐犯になっていた。

産声を上げたばかりの赤ん坊に
髪の毛やパスポートの色を
選ぶことなんか許されていないように、
その朝私は誘拐犯になっていた。

この半年ほどの私がそうだったみたいに
人生に時折訪れる大きな変化というものは、
毎日ドキドキしながら
郵便受けの中を確認していたりしていては訪れないものだと、
どうやら
ずっと前から決まっているようだ。
いつだって世界のどこかでは
鳴らない電話を待ち続けている人々がいるのに、
私はただ、少しの間、彼らの戦友になったつもりでいて、
そしていつしか諦めの波にのまれて自らその輪から去っただけなのだ。

待ち続けていたものがなんなのか。
優しく傷つきやすい私たちは
互いにそんなことを問いはしない。
共有するものはただ、待つという行為だけだし、
待ち続ける限り人は真の意味で不幸になりえないのだ。
そしてまた、真の悲しみに、
共有は意味を成さないのだろう。

結局、私は待てなかった。

待てなかった、私。待てなかった、待てなかった。
 
そして待つことを諦めたら、
それは私の元へ届いた。