土曜日
2102007

第九回:インタビュー

 

記者:以前から一度伺おうと思っていたのですが、遠藤さんがデザイナーという職業を意識し始めたのはいつ頃からですか?

遠藤: たぶん小学校4年生頃です。その頃、一緒に漫画を描いていた友達のご両親がデザイナーでした。ただ、デザイナーに憧れていたというよりも、その友達が無茶苦茶絵が上手くて、その子に憧れていた。(笑)

記者:なるほど。

遠藤:実際に職業として意識したのはもう少し後です。小学校を卒業するときに、校長先生と給食を一緒に食べるというイベントがありまして、「将来何をしたいですか」みたいな質問をされたわけです。唯一図工が得意だったので、絵を描いたり物を作ったりする仕事がしたいですと答えたところ、最近できた県立高校に工業デザイン科というものがあるよと教えてくれたんです。じゃ、そこに行こうということで。その後はずるずると。

記者:ずいぶん簡単ですね。

遠藤:デザイナーになりたいというよりは、好きなことだけしていたい、という気持ちでした。だから、それで生活してゆけるかどうか、なんてことは考えもしなかったです。そういうことをまじめに考えるタイプだったら、父の後を継いで自衛隊に入っていたと思います。だから、デザインをしていても、仕事をしているという感じがあまりしません。だから、続けていられるのかもしれませんけど。

記者:しかし、好きだからというだけでは続けられないですよね。現実問題、生活してゆかなければなない。

遠藤:それが悩みの種です。アルバイトでもしようかなとか。

記者:では、具体的にどうすればデザイナーになれるんでしょうか。遠藤さんの場合、美大でグラフィックデザインを専攻されたわけですけれど。

遠藤:学校での勉強はとても役に立っています。本当にすばらしいアーティストやデザイナーのかたたちに何人もお会いできたのは本当に幸福でした。しかし、デザイナーになるために大学の学位が必要なわけではありません。弁護士や医者のようにライセンスが必要なわけでもありません。ここだけの話、イラストレーターやフォトショップといったソフトウェアだって一週間もあれば仕えるようになります。じゃぁやっぱり才能かというとそうでもない。

記者:なるほど、そうすると一番必要なことはなんなんでしょう?

遠藤: 結局のところ、勢いみたいなものかもしれませんね。ポートフォリオを持って、一軒一軒企業を回って歩くには、才能よりも度胸のほうがずっと必要ですし。だから「デザイナーはモテる」とか「デザイナーはかっこいい」みたいな思い込みで初めたっていいと思いますよ。かのマイケル・ジョーダンだって、女の子にもてたい一心でバスケットを始めたって言いますし。

記者:デザイナーはモテるんですか?

遠藤:モテません。

記者:それは遠藤さんだけ、ということではなくて?

遠藤:新聞記者よりはモテるかな、ぐらいです。

記者:なるほど、失礼しました。